【勧進帳】俳優インタビュー⑥|大柿友哉

『勧進帳』公演に向けて、出演者の生の声をお届けします。
第六回は大柿友哉さんです。

2016年6月21日 急な坂スタジオにて収録

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二回目の出演で気づけたこと

今回は『黒塚』(杉原邦生演出/2013)に続き、二回目の木ノ下歌舞伎出演になります。山伏が登場することや、ジャンルが舞踊劇だということもあって、共通するところがあると思いました。これは完コピ稽古を比べて感じたことなんですけど、動きも似ています。様式的なところもそうですし、メインの役どころ以外は、台詞を言っていないときのリアクションや動きが最小限だったりと、構図的にも共通点を感じていますね。
二回目の参加で改めて思ったのは、歌舞伎っていうのは見る側も演じる側も、ルールを知ると楽しめるんだなということです。歌舞伎も西洋のバレエとかと同じように、この振付はこれを意味するとか、この役割の人はこういう立場なのでこうするとかの<決まり事>があります。だから言葉がわからなくても、所作とかビジュアルとか持ち物、衣裳とかから世界観がわかるようにつくられてるんだなと、出演したことで気づけましたね。
あと完コピのときに、邦生さんは「この着物の柄を見せるために、手はこの角度をしている」とか、動きを解読して説明してくれるんです。そういう点は現代劇と違う考え方ですよね。その役柄の雰囲気をみせるためだったり、衣裳の良さをみせるためにその形を選択する、気を配っているというのは面白いなと思います。理由がわかると、じゃあこうしたらもっとよく見えるとか、納得して演じられる気がしますね。

新しい自分を発見するチャンスに

『黒塚』との比較になりますけど、今回はクリエーションの仕方が違いますね。前回は個性が見えづらい集合体としての山伏たちの関係性を、演出や役者の即興で徐々に築いていったんですよ。でも今回は、役割やチーム内のポジションだったりが、今の段階である程度決まっていて。邦生さんがある意味土台は敷いてくれたので、僕たちは逆にその関係性がどう動いていくかに目を向けられますね。
今回は現代語の台本を、邦生さんがあて書きをしてくださったんですが、いただいた役から、自分はこう思われていたんだなと気づかされること…身につまされることが多いです(笑)。僕はこう見えて、これまではピュアだったり、真面目だったり、少年性が強い役が多かったんですが、今回は比較的珍しい役回りなので、演じていて楽しいですね。自分の気づけなかった面をのばしていけるチャンスだなと思っています。どんな役なのかは、ご覧いただいてのお楽しみです!

当時の身体感覚を現代のお客様にも

僕の思う木ノ下歌舞伎って、江戸時代の人が歌舞伎を楽しんでいたであろう身体感覚で、現代の人も同じように楽しめる演劇作品だと思っています。なので今回も『勧進帳』を木ノ下歌舞伎がやるからには、純粋に作品としてストレートに楽しんでもらえるものにしたいですし、なおかつ歌舞伎の『勧進帳』をみたぐらいの、充実した気持ちを持って帰っていただきたいです。
木ノ下歌舞伎を観た後に、歌舞伎座や新橋演舞場で『勧進帳』を観たとき、舞台で行われていることが「自分に通じることかもしれない」と、思ってもらえたらいいですね。

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大柿友哉 Yuya Ogaki[害獣芝居]
1988年生まれ。群馬県出身。所属劇団・害獣芝居にて寺山修司作品や岸田理生作品に出演する一方、様々な舞台作品にも客演。主な出演作品に、ままごと『わが星』(09年、11年、15年)、ロロ『旅、旅旅』(10年)、範宙遊泳『労働です』(11年)、Ank#9『メゾン』(15年)など。木ノ下歌舞伎作品には『黒塚』に出演。

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