池波正太郎著『又五郎の春秋』(『完本池波正太郎大成29』(講談社)所収)

books_banner

「木ノ下裕一オススメの古典芸能にまつわる本を紹介する企画。
いま読むべき一冊を木ノ下が一言で紹介します!」
(第一回から第二十回はビギナー必見!入門書特集)

思わず襟を正したくなる至言の数々-。

池波正太郎著『又五郎の春秋』(『完本池波正太郎大成29』(講談社)所収)

不出世の名優・二代目中村又五郎を、これまた不出世の作家・池波正太郎が取材するという、一冊で二度美味しい名作。一種の芸談本ですが、その内容の崇高さにかけてはトップクラス。歌舞伎を敬う名優の至言はいつ読んでも、爽快で、そして考えさせられます。一流の「仕事論」としても読めますから、五月病の方にもおススメです。