【東海道四谷怪談ー通し上演ー】俳優インタビュー②|土居志央梨

『東海道四谷怪談ー通し上演ー』公演に向けて、
出演者の生の声をお届けします。
第2回は土居志央梨さんです。

2017年4月25日 森下スタジオにて収録

バレエとの共通点を見出した完コピ稽古

木ノ下歌舞伎は、『三人吉三』の初演を、ちょうど(京都造形芸術大学に)在学中だったので春秋座で観ました。すごく上演時間が長いと聞いていたので気合いを入れて行ったんですが(笑)、全然長さは気にならなくて「あ、もう終わるんだ」っていう感じでしたね。それに結構びっくりしましたし、ストーリーがものすごくわかりやすかったのと、歌舞伎って結構突拍子もないこと、リアルではないことが多いのですが、それを現代でやるとこうなるんだ、なるほどと思いました。
完コピ稽古は、イメージしていたより、実際にやっていく中でどんどん気持ちが乗っていきました。私はクラシックバレエを15年位やっていたんですが、その稽古と似ているなと思うところが沢山ありましたね。音を掴むとか、決まっている型やポジションを、どう自分の肉体を通して表現するか、とか。型ってそれだけを考えるとすごく不自然なことかもしれないけど、多分意味があって。例えば跳んでいるのも、嬉しいからここで走って跳んでいるんだとか……歌舞伎の完コピもそれを分析することに近いなと思いました。歌舞伎もバレエも同じ古典と言われるジャンルですし、歴史の中で、すごく型破りな人もいたりしてここまで続いているものだから、そういうことを考えるのも楽しかったし、すごく発見が多かったです。

リアルさを追求すること、そのバランスをとる難しさ

お岩さんって結構異質というか、業の深いヒロインですけど、私が演じるお袖はもうちょっと、いわゆるヒロインっぽい女性ですよね。芯が強くて、自分の運命を受け入れていく、責任をとっていく人、ジブリに出てくるような人だなと(笑)。現代の人たちには、敵討ちとかにあまり馴染みがないですけど、共感できるポイントは沢山ある気がします。例えばお袖は三角関係になりますけど、すごく好きな与茂七は、そばにいて欲しい時にいてくれなくて、対する直助は、鬱陶しいんだけど、ずっとそばにいてくれる。そういう時、自分だったらどうするんだろうって考えてしまいます。二人の間でどう揺れるかとか、歌舞伎で描かれるよりも、もうちょっとリアルで細かい心を表現できたらなって思いますね。
それから最近の稽古では、歌舞伎だから成立していたことに気付かされることが多いです。例えば、身体が現代人の状態で歌舞伎の言葉を喋るとものすごい違和感があったり、感情にしても、お姉ちゃん(お岩さん)との会話を現代語に直してみると、ここは現実だと感情が動くまでにもっと時間がかかるよな、とか。でもリアルさや生々しさというのは、現代劇ならあった方がいいけど、生々しすぎるとまた全体のバランスが崩れてしまうので、そこをどう表現していくかが今の課題です。

イベントを楽しむ気持ちで観にきてください

舞台に生きる私たちが、今の人にも、すごく昔の人にも見えたらいいなと思っています。『三人吉三』を観ていたとき、衣裳も着物じゃないし、舞台装置も派手だし、やっていることも昔とは違うんだろうけど、そこに200年前、300年前に生きていた人たちが、ふっと浮かび上がる瞬間があったんです。それがすごく面白かったので、今回もそれを感じてもらえたらいいなと。今を生きている人であり、昔いた人でもあるんだと、その辺がリンクして見えたら面白いと思うので。その辺りを丁寧に演じられるかが、難しいところであり、挑戦しがいのあるところかなと思います。
6時間の舞台を見るっていうのは、その前後に予定も入れにくいし、1日かけるってことになりますが、たまには1日どっぷりと芝居浸ってくださればと……。6時間、お尻が痛くなるかなって考えちゃうと思うんですが、演劇っていろんな形があって、いろんな見方があるんだと思って、イベントを楽しむ気持ちで観にきて欲しいです!

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