【東海道四谷怪談ー通し上演ー】俳優インタビュー11|森田真和

『東海道四谷怪談ー通し上演ー』公演に向けて、
出演者の生の声をお届けします。
第11回は森田真和さんです。

2017年4月25日 森下スタジオにて収録

更に細かくなった完コピ稽古

キノカブには『東海道四谷怪談―通し上演―』の初演と、『三人吉三』(2014/2015)に出演して、今回で4回目になります。再演すると聞いて、単純に楽しみでしたね。もしかしたら、初演当時はしんどかった瞬間もあったのかもしれないですけど、邦生くんの演出作品には楽しかった思い出しかないので(笑)。
初演の時は歌舞伎の完コピ稽古も初めてだったので、「どれ位のクオリティでコピーするものなんだろう」と、どちらかというとゆるく考えていて。こんなに一挙手一投足、セリフの言い方や間まで細かくコピーするのかと驚きました。でも今回の方が、更に細かくやったんじゃないかと思います。ただ初演の時より、歌舞伎に対しても抵抗がなくなっていたので、稽古にはすっと入れましたね。

忠義を現代に置き換えると……

(演じる)小平という人物は、もともと(小塩田)又之丞に仕えていますけど、ほんの少しだけ、伊右衛門の下で働くじゃないですか。その伊右衛門に対しても忠義があるんだなと、今回稽古していて気づきましたね。第3幕で「自分を殺したのは伊右衛門」だと明らかになった時も、「仇と思うのは筋じゃない」って言う。あれだけひどい目に遭わされても、一度は仕えた人だという意識がある。僕は一切共感できないですけどね(笑)。あれだけのことをされて死んでも、恨み節は言わなくて、又之丞の薬のことしか考えてない、すごい人ですよね。お岩さんという人は、伊右衛門も伊藤家も根絶やしにしようと思ってますけど、小平は逆に、主人の又之丞に生きて欲しいと願う。お岩さんの怨みが深まれば深まるほど、小平の又之丞に対する忠義が、コントラストとして強く出るのかなと思いました。
忠義っていうものを、現代に置き換えるのは難しくて、会社になぞらえても、ここまで会社や上司のために出来る社員はいないですよね。時代が違うってことでしょうけど。でも、改めて考えてみると演出家と役者も忠義の関係と言えるんじゃないでしょうか。今の自分に置き換えたら何かなと思ったとき、邦生くんの為ならもしかしたら耐えられるかもって(笑)。作品のためとか、演出家に「いいんじゃない」って言われるために忠義を尽くしている部分はあると思います。初演では「夢の場」で鷹の役をやったんですけど、それも忠義の一環かと(笑)。でもそういう無茶振りをしてくれる人、鷹を人に演じさせようって、冗談で思っても実際にやる人はいないので、実際ワクワクしましたね。おかげさまで、お客様からのいい噂も聞かせていただいて、若干プレッシャーを感じています(笑)。「夢の場」って、現実世界では表に出せなかった、伊右衛門のお岩さんへの思いがもろに出てくるシーンで。こんなにお岩さんのことを想ってたんだなと思うし、もしかしたら初演で一番好きなシーンかもしれないですね。今回も鷹として、俯瞰した立場で彩りを添えられればと思います。

魂を削りながら作っています

『四谷怪談』に出るって言うと、「怖いの?お化けがいっぱい出てくるの?」ってよく言われるんですけど、エンターテインメントの要素も取り入れられている、人間の心を細やかに描いたドラマだと思います。
初演を上回る位の個性的な方々がたくさん集まって、日々ゴッチャゴチャしながら、魂を削りながら作っているので、きっと初演を超える楽しい舞台になるんじゃないでしょうか。鷹の役も含め、ぜひ期待していらしていただければと思います。

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