【東海道四谷怪談ー通し上演ー】俳優インタビュー15|鈴木正也

『東海道四谷怪談ー通し上演ー』公演に向けて、
出演者の生の声をお届けします。
第15回は鈴木正也さんです。

2017年4月19日 森下スタジオにて収録

すべてが初めての現場で

木ノ下歌舞伎の作品を初めて観たのは『心中天の網島』(2015年)でした。僕の通っている大学に、演出の糸井幸之介さんが講師として教えにきてくださっていたので、そのご縁で作品を拝見したのですが、すごく面白かったんです。観る前は「歌舞伎といえば型」のイメージがあったので、その“型のお芝居”を現代劇にするっていうのがあまり想像できなくて、どんな風にやるんだろうとすごく楽しみでしたね。実際に観ると、歌舞伎の言葉もあれば現代語も混じっていたんですが、言葉にとらわれずに深いドラマを表現しているのがすごいなと思いました。これは今、稽古をしていても感じることです。『心中天の網島』を観てから木ノ下歌舞伎の公演をチェックしていて、今回のオーディションのことを知りまして、それを経て参加させていただくことになりました。
歌舞伎を初めて観たのは大学に入ってからで、授業の一環として国立劇場に行きました。(歌舞伎)鑑賞教室での『義経千本桜』だったんですけど、歌舞伎役者さんの迫力とか、演技は魅力的だなと思いました。でも言葉の難しさとかもあって、その時は難しくて…隣の子は寝ちゃっていましたし(笑)。稽古が始まって完コピに挑んでみても、言葉を使い慣らすことが難しかったです。意味がわかっていないと説得力のあるセリフにならないので、辞書でわからない言葉の意味を調べて、なんとか自然に言えるように努力しました。発音や所作も難しくて…着物も着たことがなかったので、完コピの前に浴衣を買いに行きましたし、何もかもが初体験でしたね。年齢の離れた方々と芝居をすることや、20人もいる現場も初めてなので、緊張しつつ楽しみつつ稽古をしています。

庄三郎のかなしみと安らぎについて

稽古初日、(木ノ下)先生のレクチャーで「かなしい四谷怪談にしたい」という言葉を聞いてから、作品のイメージが変わりましたね。今回演じる奥田庄三郎も討ち入りのために苦労して頑張って生きているけど、結局は人違いで殺されてしまう。そういうところが彼のかなしみかなと。でも邦生さんが「庄三郎がただ殺されるだけのシーンにしたくない」ともおっしゃっていて。あのシーンで庄三郎を印象に残せれば、直助が死んでしまうシーンにも、いい効果がもたらせるんじゃないかなと思います。あの場面を、血の匂いがするというか、そういうシーンに出来たらいいなと思います。今のままだとまだ足りないんですが、本番までになんとかしたいですね。あとは今回、庄三郎と乞食とのシーンがあるんですが、生まれも身分も違う彼らに、庄三郎は愛着があるし、彼らとの時間が嬉しいんだろうなと。塩冶家がお取り潰しになって、廻文状(討ち入りについて記された書状)も落としてしまって翻弄されるという大変な中で、そこを一種の安らぎのシーンにしたいと思っています。

現代劇『四谷怪談』の一部として

完コピ稽古の発表会を見た時に、「『四谷怪談』っていい作品だな」と改めて感じたんです。目の前で役者さんが演じていると、映像で見た時よりもすごく立体的に見えて。今は上演台本に沿った新たな演出が加わって、現代劇としての作品ができていると思います。作品に貢献できるよう、他の出演者の方に負けないような芝居ができるよう、頑張ります。

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