yotsuya-kaidan—鶴屋南北『東海道四谷怪談』三幕目(俗に髪梳きの場)よりー

演出・美術|杉原邦生

作品解説

現行歌舞伎でも頻繁に上演されている演目であるが、様々な都合によりもはや改作に近い状態である。それにより、解釈も恐怖芝居・怪談芝居に重きが置かれているが、「四谷怪談」の主題はそれだけではない。

今作では現行歌舞伎が切り捨ててしまっている、鶴屋南北が描かんとした「四谷怪談」の主題を再考し、舞台化するため、文政八年の『四谷怪談』初演当時に一番近いと思われるテキストを使用した。(新潮社『新潮日本古典集成 東海道四谷怪談』郡司正勝・校注)

舞台全面は荒廃した定式幕によって覆われ、それがめくり上げられると、台に乗せられ現代の衣服を纏った俳優が押し出されてくる。彼らは歌舞伎の台詞を現代的な抑揚で語る。俳優はそれぞれに割り当てられた台から降りることはなく、常に正面を向いて演技し、他の俳優を見ることもなければ、触れることもない。小道具の受け渡し等の俳優同士の接触は、一人の黒衣が仲介して行う。

幕の前と後、二重の空間構造によって、見えない〈チカラ〉に突き動かされていく人々の運命が描きだされた。

舞台写真

©相模友士郎

初演

会場/日程 アトリエ劇研/2006年5月7日・8日
出演 伊藤香織 岩井千枝 植松昂 川口聡 鈴木健太郎 長尾晶子 西崎幹人 濱見彰映 諸江翔大朗 吉井貴則 磯和武明
スタッフ 照明:村上五月 音響:渡部綾子 衣裳:山本容子 美術製作:田中倫子 演出助手:木ノ下裕一 舞台監督:川島玲子 制作:木村悠介 土屋和歌子 宣伝美術:山本瑠美子
企画 木ノ下裕一 木村悠介 松山昂
主催 木ノ下歌舞伎

再演

会場/日程 こまばアゴラ劇場/2007年8月17日〜19日
こまばアゴラ劇場〈夏のサミット2007〉参加作品

 
 

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