原案・監修:木ノ下裕一
『三番叟』振付:芦谷康介 演出:杉原邦生
『娘道成寺』振付・演出・出演:きたまり
アトリエ劇研/2008年5月22日〜25日〈全○回公演〉アトリエ劇研協力公演
こまばアゴラ劇場/2008年8月22日〜26日〈全○回公演〉こまばアゴラ劇場「夏のサミット2008」参加作品
作品解説:
はじめて舞踊作品を取り上げた。原曲は歌舞伎舞踊『寿式三番叟』『京鹿子娘道成寺』
歌舞伎の構成を残しつつ、振り・演出・空間などを解体・再構築し、新たな解釈を加えてコンテンポラリーダンスとして作り変えた。
一見何の関連もないと思われる二曲であるが、〈祝祭〉〈神/鬼〉というキーワードで読み解くことで、互いに応答しあう作品となった。
「三番叟」
出演:芦谷康介 磯和武明 京極朋彦
衣装:清川敦子 演出助手:堤満美 狂言指導:茂山良暢
作品解説:
歌舞伎舞踊の「三番叟」は、能の〈翁〉を模した演目であり、大枠の作品構成や登場人物は、能から譲り受けて基本的には変わりはない。天下泰平や五穀豊穣を予祝し、〈翁〉〈千歳〉〈三番叟〉の順に三人が舞うという内容である。しかし重要なのは、能の「翁」は名の通り〈翁〉が主役であるのに対し、歌舞伎では〈三番叟〉を主役に据えたところである。能では最後に登場する三番叟を膨らませ、歌舞伎舞踊的身体に基づき、軽妙な芸に昇華させ、またそこから「廓三番叟」「舌出し三番叟」「操三番叟」など一連の「三番叟物」が生まれた。面白いことに、一説によると、能における主役の〈翁〉も、ルーツをたどればその先行芸能において真面目な芸の後に登場し滑稽な芸を披露する老人役であったらしい。ちょうど能の「三番叟」が狂言方によって勤められ、滑稽さを受け持っているように、かつてはその位置に〈翁〉も居たのである。
そして日本芸能史上連綿と続くこの構造こそ重要なのである。そこには、それまであった〈もの〉の何を肯定、継承し、何を否定し新しく創り直していくのかという、はっきりとした意思の表明を見て取ることができるからである。
「娘道成寺」
音楽:亀田真司 伊藤栄治 栗原ペダル
衣装:岡部典子 振付助手:松尾恵美
作品解説:
正式な外題は『京鹿子娘道成寺』。能の「道成寺」を原作にしており、宝暦二年に「娘道成寺」を初演した初代中村富十郎は能役者と深い親交があり、芸の秘伝を教わったという逸話もいくつか残されている。数ある「道成寺物」と呼ばれる作品群の中で最も有名な舞踊局であり、そこから「二人道成寺」や「奴道成寺」などの派生曲も生まれた。歌舞伎舞踊屈指の大曲とされ、初演以来絶えることなく上演され続けている。また「娘道成寺」を踊ることを切望しながら、その家柄や芸風の違いから果たせなかった役者達が抱いた「道成寺コンプレックス」ともいえる感情が『鷺娘』や「双面」などの名作舞踊を生み出した。
『娘道成寺』は能の『道成寺』同様、和歌山県の道成寺(安珍清姫)伝説を下敷きにしているが、舞台で繰り広げられるのは、その後日譚である。つまり、鐘の中の男を執心のあまり焼き殺した女の亡霊が、白拍子に化けて(又は憑依して)、道成寺という場所に〈再来〉し、そこで己の過去の過ちを再現してみせるのである。『娘道成寺』が上演されるたびに、亡霊は何度も何度も〈再来〉する。この〈再来〉こそが、古典という過去の〈物語〉と現代の我々を繋ぐ役割を果たしているのである。
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美術:杉原邦生 照明:魚森理恵 照明操作:工藤花之助 音響:齋藤学
美術製作:泉沙央里 坂田奈美子 舞台監督:米谷有理子
WEBデザイン:児玉悟之 制作:木村悠介 制作助手:浜名綾子 前川鈴香
協力:アトリエ劇研 KIKIKIKIKIKI 土屋和歌子
助成:独立行政法人日本万国博覧会記念機構(アトリエ劇研公演)
京都芸術センター制作支援事業
企画制作:木ノ下歌舞伎 :(有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場