【娘道成寺】キノカブ版『娘道成寺』上演歴
ー木ノ下の思い出キャプション付きー

2008年に初演し、上演を重ねる木ノ下歌舞伎の『娘道成寺』。2019年12月7日・8日には、長唄生演奏でのスペシャル公演が実現いたします!

今回はその公演を前に、きたまりの『娘道成寺』10年を木ノ下のコメントつきで振り返ります。

 

木ノ下歌舞伎『娘道成寺』 上演歴

監修:木ノ下裕一

演出・振付・出演:きたまり

 

初演

 

2008年5月-8月

[京都]アトリエ劇研[東京]こまばアゴラ劇場<夏のサミット2008参加>

※『三番叟/娘道成寺』として2演目同時上演

音楽:亀田真司 栗原ペダル 伊藤栄治/妹尾立樹  衣装:園部典子 振付助手:松尾恵美 美術:杉原邦生  照明:魚森理恵 照明操作:工藤花之助 音響:齋藤学 美術製作:泉沙央里 坂田奈美子 舞台監督:米谷有理子 WEBデザイン:児玉悟之 制作:木村悠介 制作助手:浜名綾子 前川鈴香
助成:独立行政法人日本万国博覧会記念機構
京都芸術センター制作支援事業

 

言わずもがな、キノカブ版『娘道成寺』の初演です。特筆すべきは、生バンドによる新曲の上演であったということ。本作のサックス演奏者でもあり、作曲者でもあった亀田真司氏は、分厚い娘道成寺の研究書を片手に、時に長唄の旋律を五線譜に起こすなど、苦心してくださいました。その甲斐あって、長唄の三味線、鼓、笛を、ギター、パーカッション、サックスになぞらえたバンド編成で奏でられた音楽は、娘道成寺のイメージをあざやかに刷新しつつも、どこか原作を彷彿とさせる仕上がりでした。きたさんのダンスも、それら音楽に拮抗するように、非常に力強く、“清姫らしき人”の強さと脆さを体現していたように思います。“生”同士ならではの緊張感とパワーの応酬が懐かしいです。

30分バージョン期

 

2012年2月

[横浜]横浜にぎわい座 のげシャーレ<TPAMディレクションPlus参加>

※『三番叟/娘道成寺』として2演目同時上演

美術:杉原邦生 照明:魚森理恵 音響:齋藤学 衣装:清川敦子 舞台監督:大鹿展明 制作:本郷麻衣

TPAM ディレクションPlus
アトリエ劇研協力公演
京都芸術センター制作支援事業
“坂あがりスカラシップ2011″対象公演
共催:坂あがりスカラシップ(急な坂スタジオ・のげシャーレ・STスポット)
企画・製作・主催:木ノ下歌舞伎

 

この時から、長唄の音源を使用するようになりました。これによって、古典舞踊の『娘道成寺』との結びつきがより強固なものとなり、また、だからこその“自由さ”を獲得したように思います。古典の振りを参照しつつも、きたさんが新たに作り直すといった、いわば“舞踊の翻訳作業”を経て、作品はより雄弁に、また豊かになりました。

 

2013年6月

[チリ]ガブリエラ・ミストラル・センター(GAM)招聘公演

※『三番叟/娘道成寺』として2演目同時上演

美術:杉原邦生 照明:魚森理恵、吉田一弥 音響:齋藤学 衣装:清川敦子 演出部:楠海緒、関亜弓 アシスタント:野渕杏子 舞台監督:大鹿展明 制作:本郷麻衣

 

木ノ下歌舞伎としても初の海外公演でした!しかし、残念ながら、この華々しい『娘道成寺』を私は見ていません。運悪く、渡航直前に大けがをしてしまい入院を余儀なくされていたためです……。

最後に通し稽古を見たのは渡航の10日ほど前でしたでしょうか。長唄音源での上演二回目とあって、きたさんの振付がより丁寧に、精密になっていることに感動しました。「この作品は、この先、何度も上演したい!すべきだ!」と高揚しつつ稽古場をあとにしたことを覚えています。

60分バージョン期

 

2017年1月

[京都]アトリエ劇研[東京]こまばアゴラ劇場

※同時上演『隅田川』

舞台監督:大鹿展明/熊木進 美術:杉原邦生 照明:中山奈美/久津美太地 音響:小早川保隆 衣裳:大野知英 演出部:岩澤哲野、濱田真輝、山道弥栄 補綴助手:稲垣貴俊 振付アシスタント:はなもとゆか×マツキモエ 文芸:関亜弓 宣伝美術:外山央 制作:本郷麻衣、三栖千陽 制作補佐:服部蒼
主催:木ノ下歌舞伎
提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場[東京公演]
共催:アトリエ劇研[京都公演]

 

 

2018年6月

[松本]まつもと市民芸術館 小ホール〈信州・まつもと大歌舞伎 関連公演〉

※同時上演『三番叟』

美術:杉原邦生 照明:中山奈美 音響:星野大輔 衣裳:大野知英 演出助手:山道弥栄 振付アシスタント:斉藤綾子 舞台監督:熊木進 宣伝美術:外山央 文芸:関亜弓 制作:本郷麻衣
助成:公益財団法人セゾン文化財団
企画制作:木ノ下歌舞伎
主催:一般財団法人松本市芸術文化振興財団、MGプレス
後援:松本市、松本市教育委員会

 

きたさんが「“娘道成寺”を完成させる!」と意気込みを語って挑んだ2017年の上演(いうまでもありませんが、それまでの再演が未完成であったというわけではなく、ご自身の中での決定版にするという意です)。振りの細やかさに磨きがかかり、洗練の一途を辿りました。洗練といえば、これまで鐘の象徴として舞台上に設えてあった紅白の綱を廃したのも、この時からです。

時に、きたさんがぶら下がり、または手に取ることで、橦木や鐘をイメージさせてきた重要な美術でしたが、振りや構成など、作品そのものがよりクリアになるにつれて、おのずと不要になりました。綱ひとつとっても、作品の洗練度合いを物語っているような気がします。

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