「木ノ下裕一オススメの古典芸能にまつわる本を紹介する企画。
いま読むべき一冊を木ノ下が一言で紹介します!」
(第一回から第二十回はビギナー必見!入門書特集)
狂言界の革命児が狂言を斬る!
茂山千之丞著『狂言じゃ、狂言じゃ!』(晶文社)
伝統芸能の〈現代性〉を追い求めた狂言師・茂山千之丞師による狂言入門書(ご本人は「出門書」なのだとおっしゃっていますが)。ポップなタイトルとはうらはらに、その内容の鮮烈さ、思考の深さが光る、実に刺激的な一冊。特に、私は、第三章の「狂言を野垂れ死にさせないために」が好きです。古典芸能を現代化するために必要な知恵と教訓に満ちていて、何度も読み返しています。