木ノ下歌舞伎『黒塚』

【歌舞伎舞踊「黒塚」とは】

昭和14年に初代市川猿翁によって創作・初演された近代の新作舞踊劇の金字塔と言われる『黒塚』。
東北地方に伝わる鬼婆伝説に想を得た能「黒塚(安達原)」を原作とし、老婆と旅の僧の出会う芝居仕立ての〈上の段〉、僧に諭され、その嬉しさを老婆が舞で表現する〈中の段〉、信頼していた僧に裏切られた怒りから鬼婆の正体を現し襲い掛かる〈下の段〉と、起伏に富んだ〈三段〉からなる。



−あらすじ−

人里離れた安達ヶ原(現・福島県)のあばら家に岩手と呼ばれる老婆が暮らしていた。
そこに通りかかった阿闍梨祐慶ら三人の僧は、日が暮れたので老婆に一晩の宿を乞う。老婆は自分の罪深さを彼らに語るが、祐慶はどんな人間でも仏教に帰依すれば成仏できると諭す。
喜んだ老婆は「奥の寝室はけっして覗かないように」と言い残し、山に薪を拾うために出かけるが…。

上演時間
約1時間35分(休憩なし)