義経千本桜―渡海屋・大物浦―

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ツアースケジュール

|名古屋|2016年5月27日(金)~30日(月)愛知県芸術劇場 小ホール〈全5ステージ/ミニセレ〉
|東 京|2016年6月2日(木)~12日(日)東京芸術劇場 シアターイースト〈全12ステージ/eyes plus〉
|豊 川|2016年6月18日(土)ハートフルホール [豊川市御津文化会館]〈全2ステージ〉

プロダクション

|作|
竹田出雲、三好松洛、並木千柳

|監修・補綴|
木ノ下裕一

|演出|
多田淳之介[東京デスロック]

|出演|
大石将弘[ままごと/ ナイロン100℃]
大川潤子
榊原 毅
佐藤 誠[東京デスロック/青年団/渡辺源四郎商店]
佐山和泉[東京デスロック/青年団]
武谷公雄
立蔵葉子[青年団]
夏目慎也[東京デスロック]
山本雅幸[青年団]

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|スタッフ|
舞台監督|大鹿展明、鈴木康郎、熊木進
美術|カミイケタクヤ
照明|岩城 保
音響|小早川保隆
衣裳|正金 彩
歌舞伎小道具|藤浪アートセンター
補綴助手|稲垣貴俊
演出助手|岩澤哲野
衣裳アシスタント|原田つむぎ
運搬|堀内運送
文芸|関 亜弓
宣伝美術|外山 央
制作|本郷麻衣、加藤仲葉、堀 朝美、三栖千陽

|協力|
白神ももこ、山道弥栄、急な坂スタジオ、krei inc.、スイッチ総研、青年団、東京デスロック、ナイロン100℃、中野笑店、プリッシマ、ままごと、(有)レトル、六尺堂、渡辺源四郎商店、とよかわ舞台公演実行委員会[豊川公演]

|助成|
芸術文化振興基金[名古屋・東京]、公益財団法人セゾン文化財団

|企画・製作|
木ノ下歌舞伎

|主催|
木ノ下歌舞伎[名古屋・東京]
愛知県芸術劇場[名古屋]
豊川市、豊川市文化のまちづくり委員会[豊川]

|共催|
愛知県芸術劇場[豊川]

|提携|
東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)[東京]

あらすじ

平安時代末期。源氏の武将・源義経みなもとのよしつねは、6年間におよぶ源平合戦で大活躍をみせ、敵対する平氏を屋島で撃破する。しかし、英雄・義経には思わぬ不遇が待っていた。兄・源頼朝みなもとのよりともに不信感を抱かれ、鎌倉に入ることを禁じられたうえ、謀反むほんの疑いをかけられてしまったのだ。一転して追われる身となった義経はなんとか潔白を証明しようとするが、家来の武蔵坊弁慶むさしぼうべんけいが頼朝からの追手と衝突したことでさらに苦しい状況に立たされる。そこで義経一行は、ついに九州への都落ちを決めるのだった。
嵐の日、義経一行は九州への船を頼りに、大物だいもつ[現在の兵庫県尼崎市]の渡海屋(船問屋)を訪れていた。雨が上がるまで渡海屋に泊まっていた義経たちだったが、そこに頼朝からの追手が現れる。主人の銀平ぎんぺいや女房のおりゅうは追手を追い払い、すぐに船を出すと義経に申し出るが、実は銀平たちには計画があって……。

配役表

源義経 ほか …… 大石将弘
武蔵坊弁慶 ほか …… 榊原 毅
亀井六郎 ほか …… 山本雅幸

渡海屋銀平 ほか …… 佐藤 誠
銀平女房・お柳 ほか …… 大川潤子
銀平娘・お安 ほか …… 立蔵葉子
渡海屋下女・さやま ほか …… 佐山和泉

相模五郎 ほか …… 夏目慎也
入江丹蔵 ほか …… 武谷公雄

人物相関図

義経千本桜―渡海屋・大物浦―人物相関図

作画|木ノ下裕一

終わりなき戦いのなか、失われた声が甦る
“今”が“昔”に、“昔”が“今”に
時代を超えて、現代を抉る〈逆襲劇〉

『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』は、2012年の『義経千本桜』通し上演より、第一幕「渡海屋・大物浦の場」を単独作品として再創作したものです。演出には初演につづき劇団・東京デスロックの多田淳之介さんをお招きし、初演をふまえて新たな構成・演出を取り入れるなど、単独上演ならではの〈さらなる高み〉を目指した作品となりました。

「渡海屋・大物浦の場」は、源平合戦に敗れ入水したはずの平家総大将・平知盛らが実は生きており、平家を滅亡させた源義経への復讐を企てる物語です。ただし今回の上演では「渡海屋・大物浦の場」だけを上演するのではなく、前日譚である源平合戦の歴史をひも解く場面を新たに創作。戦いに身を投じる知盛や義経、そのほか翻弄される人々の群像劇で、めまぐるしい歴史のうねりとともに「なぜ知盛は復讐するのか」「なぜ義経はなぜ追われているのか」といった人物の背景を描き出しました。また舞台上に積もっていく大量の着物など、衣裳に死者のイメージを託すことで、失われたあまたの命や残された者への影響を視覚的に表現。さらに前半の〈歴史劇〉で聞かれた台詞を作品の終盤で再び響かせるなど、あらゆる演出をもって、「渡海屋・大物浦の場」を単なる〈知盛による復讐劇〉ではない“より切実なドラマ”として立体化させました。
なお劇中には日の丸や君が代、旭日旗など「日本」に関するモチーフを導入。知盛と義経が対面するクライマックスでは、天皇をめぐり両軍が対決する構造や、戦争での勝利・敗北が歴史の分岐点となる残酷さをあぶり出して、舞台上に近現代の日本の姿をも浮かび上がらせたのです。

初演時には水死者の存在を強調するなど「3・11」の影響を深く刻んだ『渡海屋・大物浦』は、約4年を経て「終戦70年以降」の空気感をまとった作品へと変化しました。本作は木ノ下歌舞伎にとって、同時代の情勢を含めて演目の解釈を変えること、また演出家との継続的な取り組みで作品の強度を高めることの可能性を象徴する作品でもあります。

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